高還元SESの「案件選択制」が形骸化するわけ

高還元SES企業に所属しているエンジニアのみなさま、案件は選択できていますでしょうか
本当に自由に選べていますでしょうか
高還元SES企業がよく謳っている「案件選択制」は、制度として本当に成立するのでしょうか 私は、基本的には成立しないと考えています。
多くの方が「案件選択制」と聞いてイメージするのは、次のような流れではないでしょうか。
営業担当がエンジニアに希望条件を聞く
↓
営業担当が、希望条件に合った案件をいくつか提案してくれる
↓
その中から、興味のある案件にだけ自分で選んで応募する
↓
書類選考が通れば面談
↓
面談に合格すれば参画(入場)
過去、私も上記イメージを期待値として持ち、「案件選択制」を謳う高還元SES企業に入社しましたが、実際は、そのようなイメージとは乖離していました。 もちろん当時の私の技術不足ゆえ、案件を選べるだけの実力がなかったのかもしれませんが、「一体、これのどこが案件選択制なん?」と、正直なところ入社後、幻滅しました。
たとえば、
- 本人の意思確認もなく、営業判断で勝手に案件へ応募されていた
- 意思確認されても断りづらい雰囲気がある
- 興味のない案件にも面談組まされる
- キャリアのためと言って、片道2時間の案件も普通に提案される
- 案件Aと案件Bの両方から合格をいただいたにもかかわらず、本来希望していた案件Aではなく、会社と関係の深い案件Bに行くよう、遠回しに圧をかけられた
- すでに社員が参画している案件の増員枠に入るように言われた
等といったことがありました。(実話)
もしエンジニアが営業から持ち掛けられた案件を断れば、営業との関係に亀裂が入る可能性があり、営業⇔エンジニア間で関係が悪化します。 さらに、今後、より良い案件を紹介してもらえなくなる可能性もあります。
(あなたが営業の立場だった場合、案件を提案してもすぐに断るエンジニアに今後案件を提案しようと思わないですよね。)
上でいろいろと書きましたが、何がいいたいかというと、営業から提案された案件、断りづらいんです。
ただし、これは必ずしも企業側だけを責められる話ではありません。
私の個人的な意見ですが、正社員SESのエンジニアは、営業が持ち掛けてきた案件を断る権利がないと考えています。
理由は、「営業工数」と「待機発生時の給与補償」にあります。
エンジニアが提案してもらったその案件は、営業が稼働を割いて取ってきてくれた案件です。稼働を割いているということは、そこに営業へのお給料が発生しているのです。
せっかく営業が稼働を割いて取ってきてくれた案件を興味がないからといってパスされると会社としては機会損失なわけです。エンジニアがその案件に参画することで会社の利益となりますので。
エンジニアが正社員という立場である以上、会社の利益に貢献しないといけないのです。
営業にもノルマがあり、エンジニアを営業することによる工数がかかっているのです。
また、エンジニアが正社員である以上、待機期間中であっても給与は発生します。 エンジニアが案件を断ったばかりに、結果として待機となっても会社はエンジニアに給与を払わなければいけないのです。なので、営業は遠回しにでも、エンジニアが行きたくない案件に行かせるよう遠回しに圧をかけ、または営業は巧みな話術を使ってエンジニアをその案件に丸め込もうとしてきます。一見すると、営業は悪者に映りますが、エンジニアが正社員という守られた立場上仕方ないことなのです。 SES企業は稼働率を前提に事業が成り立っており、エンジニアの待機が発生する状態は、経営リスクを大きく高めることになります。 そのため、「案件を完全に自由に選ばせる仕組み」は、正社員SESというビジネスモデルと本質的に相性が悪いのです。
そこでです。
もし「本当の意味で案件を選びたい」のであれば、フリーランスになるしかありません。
私自身、フリーランスになって初めて、興味ある案件にのみ参画希望の意思表示をし、興味のない案件を断るという選択ができるようになりました。 ビジネスマンとしてのマナー、礼儀、案件を営業から提案していただいたことに対するお礼さえきちんとしていれば、案件を断ったことで、営業やエージェントとの関係が悪化することは一度もありませんでした。フリーランスエージェントの場合、案件を提案しても断れることになれています。むしろ、断られる前提で案件をたくさん紹介してくれるエージェントもあります。
実際に、私も担当営業から持ち掛けられた案件を何度か断り、かつそのうえで他のエージェントを利用して案件に参画したことがありますが、断ったエージェントからも今も案件紹介していただけています。
フリーランスになると、案件を断ったことで次の仕事が決まらず、収入が入らないことは自己責任になります。
しかし、フリーランスになると、案件を「本当の意味」で選べるようになります。
(まとめると、案件を自由に選びたいのであれば、フリーランスになりましょうというお話でした。)